裁判官発付による差押

国民の財産を押収するためには、刑事訴訟法利用できる方法は限られていま

 

す。それは任意に領置する方法、逮捕に伴う押収、裁判官発付の令状により押収

 

する方法の3つです。このうち最も利用される方法が裁判官発付の令状により押

 

収する方法です。この方法による場合、令状の請求権者は検察官、検察事務官、

 

司法警察員に限られ、判断権者は裁判官です。令状の執行者は検察官、検察事

 

務官、司法警察職員であり、請求権者と若干異なっています。令状には被疑者若

 

しくは被告人の氏名、罪名や有効期間を記載しなければなりませんが、実務上最

 

も問題となることが多いのは差し押さえるべき物についてです。令状による国民の

 

財産の押収は、権利侵害の受忍を国が強制するものであり、濫用を避ける必要が

 

あります。そこで、一般的探索的な記載を禁止し、差し押さえるべき物は特定され

 

ていなければなりません。令状の名宛人は、捜索差押許可状の記載から、何が国

 

により押収されるのか適切に判断することができると共に、令状の執行者も記載の

 

範囲内で押収を行わなければなりません。もっとも判例では、捜査の必要性を強

 

調し、事件の難易度によっては差し押さえるべき物の概括的記載も許容される場

 

合があるとしていることに注意する必要があります。

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